医師同士の垣根

最近私の中で革命的だったのが、この病院のコンサルテーションの積極性と、立場を超えた医師同士の垣根の無さです。
私、実はつい最近まで都市部の大きな病院に勤務していました。
そこでは、やはりというかなんというか、医師の階級制度というものがあったのです。
立場の高い医師というのは絶対的な発言力を持っている、院長の言うことは絶対!のような風潮が、少なからずありました。
抑圧された環境とでも言いましょうか…

私のような回避できるマイペースな人間はいいのですが、新人さんなどは圧倒されてしまい、萎縮してしまうのですよね。
医師が医師の足を引っ張り成長を阻害する環境が、図らずも出来てしまっていると考えています。
前向きに取り組む姿を大御所の先生にも見せて頂きたいものです。

患者さんのその後

前置きが長くなりましたが例の患者さんのその後についてです。
彼は前向きでアグレッシブな意思を持っているので、その姿は人間として尊敬できるものでした…

彼の意識が目覚めてから3日後…と言いますが、実質はっきりしたのは1週間程度だそうです。
彼はさっそく私に質問を投げかけてきました。
患者さん『看護師さん、ワタシはいつからリハビリできますじゃろ?』
私『そうですね…胸水がなくなり、チューブを外して肺の大きさが元の大きさに近づいたら開始できそうですね』
患者さん『そうですか…いやね、痛いのは平気なんですが、暇で仕方がないんですわ』
病は気からといいますが、彼の気持ちの強さは誰が見ても驚くべきレベルです。

実際、チューブを抜いてレントゲン検査で肺の大きさが正常に近づいたその当日には、理学療法士のもとでリハビリを開始されていました。
彼は事故の処置で心肺機能が平時より落ちていました。
なので、退院前にその機能の回復、及び単純にけがをした部分の機能の回復を目的としてリハビリをしてもらっていました。
この時点での彼の回復っぷりには目を見張るほどです。
担当の医師が理学療法士に提案したオリジナルの階段昇降は、他の看護師も音を上げるほどでしたから。
そして、無事に退院されていきました。

身近な人がサポートを

人間、けがをしたり病気になると、どうしても気弱になってしまうものです。
そんな時、彼のように元々とんでもなく精神力の強い人物なら良いのですが、一般的な人はどうしても参ってしまいます。
そんな時は是非、身近な方がお見舞いなどでサポートしてあげてくださいね。