ブラックジャックによろしく、は佐藤秀峰による医療系マンガ作品です。
テレビドラマにもなりましたから、名前くらいは知っているという方も多いのではないでしょうか。
作品名に使われているブラックジャックは言うまでもなく手塚治虫先生の著作、ブラックジャックですが、作品そのものにはあまり関わっていません。
研修医として奔走する主人公の様子や医療現場、大学病院の現状などを描いた作品となっています。

累計発行部数が1000万部を越えた

ブラックジャックによろしく、は医療系マンガとしては比較的新しい部類に入る作品ではないでしょうか。
当初私は作品名の「ブラックジャック」という部分だけがとても気になってしまい、もしかして別の漫画家がブラックジャックの続編を描いたのか?と思ってしまったものです。

実際には普通の医療系マンガでしたから、安心した気持ちとがっかりした気持ちが半分半分でしたね。
この作品も単行本の累計発行部数が1000万部を超えるなど大ヒットした作品で、熱狂的かつ根強いファンが存在するのも事実です。

私も最初は適当に読んでいたのですが、医療現場における現状などをあまりにも克明に描いていましたし、さまざまな部分で共感できることもあったので認識を改めました。
読み進めるうちにどんどんこの作品を好きになってしまいましたし、気がつけば単行本を全巻揃えていましたね。

作品の内容的には医龍と似ています。
医龍では医療チームと医局との対立、教授選をとりまく病院内でのドロドロとした人間関係を描いていましたが、それに割と似た作品ですね。
主人公は医師としての情熱に燃えているものの、医局や教授、日本の医療事情の現実を知りたびたび衝突するようになります。

いいとこ取りのマンガ

私が最初この漫画を読んだとき、ドクターコト―診療所と医龍の良いところを足して二で割ったような作品という印象を受けてしまいました。
主人公の斉藤英二郎は正義感と情熱溢れるドクターでしたが、医療現場の現実に直面することになります。
また、患者のことを第一に考えて行動し、時には周りが見えなくなることもありますし、医局や教授ともたびたび衝突を起こすようになります。

良く言えばとても人間臭いドクターですね。
ドクターコト―の場合は表立った医療への情熱は見えませんでしたが、この作品の主人公は医療にかける情熱を全開に醸し出しています。

医龍もそうでしたが、割と医療現場の現実をしっかりと描けている作品ではないでしょうか。
やや誇張されている部分もあるかもしれませんが、日本における医療現場の問題点を上手に描いていると思います。
私も同じ医療に携わる人間として考えさせられる部分はたくさんありました。