漫画家を目指す人なら多くの方が知っている偉大なる作家、手塚治虫。
その彼の代表作とも言えるのがブラックジャックではないでしょうか。
1973年から連載がスタートした作品ですから非常に古いですが、今でも熱狂的なファンは大勢いますし、医療マンガの最高傑作と評する方も少なくありません。
そんな私もブラックジャックを読んで感動したものです。

天才外科医の物語

ブラックジャックという作品名からまさか医療マンガであろうとイメージできる人はまずいないでしょう。
私も当初作品名を聞いただけではどんな物語なのか想像もできませんでしたし、主人公は顔に大きな傷のある男性ですから医療マンガとはとても思えなかったくらいです。

ブラックジャックは医療マンガとしては非常に有名ですが、ご存じない方のために少々ご説明しましょう。
主人公は無免許ながらも天才的な医療技術を持つブラックジャックで、高額な報酬と引き換えにどのような難しい手術でも成功させてしまうというお話です。
無免許でしかも高額な報酬を要求するという部分だけを考えると悪の権化のような気もしますが、実際に作品を読んでみるとそうでないことがよく分かります。

作中でブラックジャックは確かに高額な手術費用を裕福でない患者にまで要求しますが、その期限を設けるようなことはしていません。
もちろん、お金持ちにはいつまでに支払うようにと明言することが多いですが、貧しい患者には高額な治療費をふっかけるものの期限を提示することはないのです。

また、手術費用の代わりにおもちゃの風車を受け取ったり、無料で治療したこともあります。
こうした人間臭い部分が残っていることもブラックジャックの魅力の一つなのです。

後世多大なる影響を与えた作品

医療マンガの代表作でもあり、最高傑作とも評されることの多いブラックジャック。
私もそうですが、医学を目指していた人物なら必ず一度は目にしたこともあると思います。

無免許医であり高額な報酬を受け取るという現実にはありえない設定でも、神がかり的な手術手腕と時折見せるブラックジャックの人間臭さに魅力を感じたのも事実です。
そんなブラックジャックは、アニメや実写作品にもなりましたし、後世の医療系マンガにも多大なる影響を与えました。

ブラックジャックに影響を受けて医療マンガを描き始めたという漫画家も実際にいますし、今でも医療系マンガのパイオニアとして人気があります。
また、影響を与えたのは漫画界だけでなく、医療界にも少なからず影響を与えています。
この漫画を読んでブラックジャックに憧れて医学の道を志望したという方もいますし、憧れの医師やリスペクトする医師としてブラックジャックの名を挙げる医師も実際いるのです。