第12代目 市川團十郎

・頂いた命だから、残りは歌舞伎に、特に、後進のために燃やしたい

闘病中に考えていたことだそうであり、健康に不安を覚えながらも、治療を受けながら舞台を続けていたと言います。

・一日稽古を怠れば、自分が下手になったと思う。
二日稽古を怠れば、相手役に下手がわかってしまう。
三日稽古を怠れば贔屓筋に下手がわかる。
その段階で、レッテルを張り替えることは並大抵のことではない。

これは彼の稽古への前向きな姿勢を伺わせる言葉であり、稽古は毎日行なうべきということでしょう。
ただこれは稽古のみにならず、仕事や勉学などでも当てはまる言葉であり、人生それこそが勉強ということが言えます。

第9代目 松本幸四郎

・人間は、その人がどういう目にあったかではなく、事が起きた際にどう対処したかで価値が決まるのだと思う

・役者は舞台で演じるしかなく、一人でも、二人でも見てくださるお客様がおられれば、やらなければならない

これは東日本大震災の時に言われた言葉だそうであり、役者として自分が何を出来るか考えての発言だと言えるでしょう。
どんな事が起きたとしても、役者として舞台を続けていくのは、大変なことです。
そんな中で、舞台を続けていく人物こそ、本物の歌舞伎俳優であり、役者と言えるのです。

その他の歌舞伎俳優の名言

・第4代目 尾上松緑「きっと終点とか、終着点というものはないんだと思います。」

大変すばらしい言葉であり、人生においては終点や終着点というものはなく、日々努力の積み重ねということがわかる言葉です。
また彼は「自分で限界を決めちゃうとそこまでしか行けないので、階段は何段だと決めないで上れるだけ上りたいと思います」という言葉も残しています。

・第18代目 中村勘三郎「人生の成功とは、死ぬときに悔いが残らないこと」

これもなかなか深い言葉であり、人生を考えさせられる言葉です。
人という物はついつい低い場所に流れる生き物であり、出来るだけ楽をしようとしてしまいます。
日々の人生の中で、努力して行動を続けていくと、人生の成功を掴むことが出来、死ぬときにも悔いが残らないのかもしれません。
さらには彼は「人間の本質は変わらない。でも時代は変わる。だから、立ち止まるわけにはいかないと思います」という言葉も残してます。
やはり人生においては進み続けるしかないということでしょう。

歌舞伎役者の方は人生における生き方としての名言を残している人が多く、なかなか考えさせられることが多い言葉です。
やはり歌舞伎の舞台というのは人生ににているのでしょうか。
余談として、最近ニュースによって有名になった市川海老蔵さんは、よく酔っぱらうと「おれは人間国宝だぞ」と叫んでいたそうです。